味覚改変作用機構の解明:ミラクルフルーツの甘味提供機構をモデルとして

熱帯性植物であるミラクルフルーツの実は、酸味を甘味に変換することができる。この現象は、実の成分タンパク質であるミラクリンの作用とされている。甘味物質は現代社会にあっては産業界の基盤的商品であり、ヒトの健康では、肥満とつながる。低カロリーで安全な甘味物質が求められており、ミラクリンはタンパク質由来の低カロリー甘味物質として注目されている。しかし、どのように酸が甘味として感知されるのか、その際のミラクリンタンパク質の作用機構の詳細はまだ理解されていない。本研究において、酸味物質とミラクリンの相互作用、さらにミラクリンの酸による構造変化などの基本的な問題解明を目指す。

上方配位子を考慮したビタミンB12同族体の定量

生体にはビタミンB12の4種の同族体が存在するが、補酵素として機能するのはそのうち2種類である。同族体の含有割合は食品によって異なり、サプリメントなどで使用されるシアノ型は他の3種の同族体より利用効率が低い。また、ビタミンB12は吸収過程が複雑なため、特に高齢者では吸収不全を起こしやすく、ビタミンB12の不足から循環器疾患のリスク上昇が問題となっている。食品中のビタミンB12の含量は非常に少なく、これまで、その同族体の定量は困難であった。このため、本研究では、ビタミンB12の同族体の定量を本学に新しく設置した感度の高い質量分析計(LCMS)を用い縦医療法の確立を目指す。さらに、ビタミンB12の同族体の機能性に焦点を当て、利用効率の高い非シアノ型ビタミンB12を多く含む食品を同定する。これらより、食品ごとのビタミンB12の吸収率も考慮して、高齢者に適したビタミンB12不足解消のための食品を提案し、循環器疾患のリスク低減による健康寿命の延伸に貢献することを目的とする。

パンコムギ胚乳貯蔵タンパク質組成に与える近縁野生種の細胞質効果

胚乳貯蔵タンパク質の組成および含量はコムギ粉の品質を決定する重要な要素である(H.S. Balyan et al. Genetic improvement of grain protein content and other health-related constituents of wheat grain. Plant Breeding 132: 446-457, 2013)。本研究では、パンコムギの胚乳貯蔵タンパク質組成に対する近縁野生種の持つ細胞質効果を明らかにしたい。そのため、パンコムギの細胞質を様々な野生種のそれで置換した核細胞質雑種系統を用いて、パンコムギの主要な胚乳貯蔵タンパク質画分(アルブンミン、グロブリン、グリアジンとグルテニン)の含量を測定し、グリアジンとグルテニンについてはゲル電気泳動法でサブユニット構成を解析する。

蕎麦製麺加工の伝統的技法の物性論的解析

蕎麦は、タデ科に属する食用作物であり、世界各地で広く利用されている。我が国では、麺が最も親しまれた蕎麦加工食品である。我が国においては、蕎麦加工食品である麺が加工されるまでには永年培われてきた伝統的技法がある。伝統的技法で作られる麺がなぜ高い美味特性を示すのかなどの課題については、不明な点が多くあり、ヒト感性科学などの観点から興味深い課題となっている。そこで本研究では、なぜ伝統的技法で調整された蕎麦麺が美味なのかという点を物性論的観点から解析し、明らかにすることを目的とする。

穀物温度応答の人為制御による食料増産の試み

耕作面積はもはや限界に近づいており、人類を賄うために増産は差し迫った課題の一つである。我々は温度に応答した生理現象に着目し、これを制御することで増産を達成する方法の開発を二通り試みる。オオムギは生殖生長の前にバイオマスの増加と引き続く越冬が必要であるが、適期よりも早播きをすると残暑の高温を感受して越冬に不適切な徒長形態になる。そこで、高温感受による形態変化を阻害する成長調節薬剤を開発する。具体的には古本らが発見した転写因子PIF4を介した温度シグナル伝達に作用し、徒長形態を阻害する化合物を探索する。一方、常温ではイネは植物活性化剤の散布によりいもち病被害を克服できるが、冷夏には被害が拡大し、いもち病による減収が最大約7%に達する。これを克服するために、低音においてもいもち病耐性を維持できる薬剤を開発する。具体的には上野らが発見した0sPTP1/2の活性化を阻害する化合物を探索する。

サツマイモネコブセンチュウ系統の分類と寄主適合性との関連解析

国内で単離されたサツマイモネコブセンチュウのコレクションについて、ゲノムワイドに多型を検出し、系統分類する。更に、代表的なサツマイモ品種に対する感染試験を行い、感染表現型を調べる。将来的には、線虫のゲノム多型から寄主適合性を判別する解析に進展させる。本研究の目的は、安全かつ持続的な線虫害防御方法の確立に資することである。

農作物の新品種開発に向けた作物化過程解析研究ネットワークの構築

農作物の変遷の過程、特に野生種から農作物への形質変化とその基盤となった遺伝子の変異、また、この過程における人類による長年の努力について理解することが非常に重要だと考えています。また、新たな形質を付加した農作物の新品種を開発することは龍谷大学農学部の重要な研究分野ですが、過去の作物化のプロセスを解析することは、新品種の開発研究の基礎として重要です。龍谷大学農学部内に作物化過程の解析研究を根付かせ、学生の教育に活かすためには、(1)研究情報の取得、(2)圃場・温室での試験栽培、(3)作物と祖先種の生体展示、(4)種子などバイオリソースの収集・保存、などの対応が重要です。

イネ根皮層細胞に効率よく侵入するクサネム根粒菌の探索

イネに共生窒素固定根粒を着生させ、窒素肥料が不要で環境と調和した栽培体系を構築することを、長期的な目標としています。
その第一段階として、イネと相性がよいクサネム根粒菌を複数系統単離し、イネ皮層細胞への侵入効率が高い系統を抜粋します。また、イネ細胞内へ侵入した根粒菌が植物細胞膜に由来する膜に包まれているか否かを明らかにします。本研究が端緒となってイネ科主要穀類に窒素固定根粒を着生させる道が拓かれれば、世界の経済や環境に及ぼす好影響は計り知れないと思われます。

RAD-seqを用いた、遺伝的浸透のある種の持続的な遺伝的復帰方法の確立

希少な在来家畜を遺伝子浸透から復帰させ、持続可能な交配計画を作る
在来の家畜それぞれ、その地域の環境に適応しています。そのため、在来家畜の中には、近年問題となっている温暖化や病気の蔓延に対して有効な性質を持つ品種も報告されており、重要な遺伝資源であると言えます。しかしながら、経済性、生産性に重きをおいて進められた家畜の単一品種化により、在来の家畜の品種数・個体数は急激に減少し、さらに前述の単一品種と在来家畜の無計画な交雑(遺伝子浸透)も進んでおり、遺伝資源が失われつつあります。在来家畜の遺伝子資源をいかに保持するか、交雑してしまった品種から如何に戻すのかは重要な課題であると言えます。
この研究では、日本在来馬の「対州馬」をモデルとし、希少な在来家畜の遺伝子浸透からの復帰と遺伝的多様性の維持を同時に実現する交配計画を立てることを目的としています。対州馬は日本の在来の馬で、長崎県対馬市の農耕馬です。山がちな土地に適した短足で小柄な体型、雑草を食べて冬場を越せるといった対馬の風土に合わせた特徴をもちますが、戦時中に戦時利用のために外来馬との交雑を起こしています。また、農業の近代化により役割を失い、急激に個体数が減ってしまったため、遺伝的多様性が減少し、絶滅に危機に瀕しており、遺伝子浸透からの復帰と遺伝的多様性の保持が急務です。どのくらい遺伝的多様性が減少しているのか、ゲノムのうち、どこが対州馬の遺伝子で、どこが侵入してきた外来の遺伝子なのかは遺伝子配列を調べることでしかわかりません。本計画では、ゲノム全体を網羅的に調べることのできるRAD-seq法を用いて対州馬のゲノムの本来の部分、外来の部分を高解像度で分離します。そして、遺伝子配列情報を元に、どういった個体同士の組み合わせで交配することで、外来の遺伝子を取り除き、対州馬本来の遺伝子を残せるのかをシミュレーションにより明らかにしようとしています。この方法は、他の在来家畜、希少な生物にも応用できると考えています。

水田転換畑における地域特産作物の生産基盤としての耐湿性の理解と湿害対策

農業高度化による地域活性化の方策のひとつとして、水田転換畑における新規な特産農産物の生産が挙げられる。その実装の可能性を生産者や普及関係者に提示するためには、作物の耐湿性や湿害回避に関する明確な学術的見地が必要である。そこで、1)転作作物の生育を制御する過剰水分条件に対して、導入する各作物がどのように応答し、また経済収量は得られるのか、2)酸化が進んだ転換畑の維持に必要な地力増強の方策として施用有機物がどのように機能するのか、3)暗渠が有する排水機能を、地力増強作用のある深根性緑肥作物が代替し得るのか、などについて圃場試験と過剰水分モデル試験系を用いて詳細に明らかにする。これらの研究成果をもとに、生産者や実儒者の協力のもと、地域資源の現場での生産を試み、6次産業化への展開を図る学術基盤の構築を目指す。

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtesttesttesttesttest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

test

研究プロジェクトtest

滋賀県域の発酵産業の振興を指向した発酵微生物の探索及び評価

世界各地に、様々な食品素材から製造されるユニークな発酵食品が存在している。発酵食品において、成熟した微生物叢の中心的構成微生物は、真核微生物である酵母と原核微生物である乳酸菌である。また、発微生物叢は、気候や風土に依存して形成される。そこで、発酵食品産業が盛んな滋賀県において、発酵食品から発酵微生物の単離・収集を行い、微生物の地域多様性や機能性を明らかにする。さらに、取得した発酵微生物を用いて、日野菜漬け等の地域の発酵食品製造の高度化に資する。本研究では、微生物叢に関する知見蓄積という基礎科学な重要性の解明に加えて、酵母および乳酸菌を活用した発酵食品の製造・利用の高度化への貢献を目指す。

 

滋賀県産の植物性発酵食品(漬け物など)および動物性発酵食品(なれ寿司)などから、代表的な微生物種について、微生物生理学の観点からクラス分けを行い、微生物叢の地域的特長を明らかにする。さらに、日野菜の古漬け等に応用可能な微生物の選択を行い、産学連携研究の足がかりとなす。