研究プロジェクト
龍谷大学・食農研・研究プロジェクト・183400
研究課題 2018-2019
作物は土を作るのか?~作物根による鉱物風化メカニズムの解明~
Root-induced release processes of plant nutrient elements from silicate minerals
研究代表
森泉 美穂子 (モリイズミ ミホコ) MORE
農学部 資源生物科学科 准教授 土壌学
共同研究者
阿江 教治 龍谷大学・非常勤講師 植物栄養学
吉村 大輔 農学部・実験実習助手 作物栽培学
従来の土壌生成機構論では、植物は土壌有機物の給源物質あるいは物理的風化の要因(樹木根
など)として捉えられてきた。近年、三要素(N,P,K)長期連用試験の結果から,カリウム欠乏条
件では作物が一次鉱物を崩壊させK を溶解・吸収すると予想されるだけでなく,ケイ酸を吸収す
る稲は,結果として活性アルミニウムを土壌に蓄積させると推察できた。また,大豆の長期連用
試験では可給態ケイ酸が増える傾向にある事が示唆された。本研究では作物根が一次鉱物を溶解
(崩壊)する現象をポット栽培試験で確認・再現し、作物の栄養吸収特性によって土壌風化の状
況が異なる事を明らかにする。これまで、鉱物の風化を促す化学反応の要因として①根分泌有機
酸,②根圏微生物が検討されてきたが,作物種による反応の差違を説明できない等の未解決な部
分が多い。本研究では根細胞壁表面にある官能基の多様性と鉱物との相互作用を検討し,根細胞
壁表面にあるキレート反応部位の鉱物風化(土壌生成)における重要性を証明する。